慢性期脊髄損傷の患者さん

スタッフのブログ

残暑お見舞い申し上げます。事務局の勇です。

6月末から1ケ月ほど、細胞投与と集中リハビリテーションを目的として、広島から脊髄損傷の患者さん(40代、女性)が入院されました。

2014年10月に交通事故で受傷、入院加療、リハビリテーションを実施したものの、障害が残存したため、当院での再生医療を希望され、2020年2月に脂肪採取術を行いました。同年の4月には細胞の培養が終了し、投与が可能となったものの、新型コロナ感染症の拡大による行動制限や患者さんご自身のご都合もあって、2年半近く経ってからの投与となりました。

これまで培養終了から細胞投与までにそれほど時間をおいた方はいなかったため、効果については不安がありましたが、投与が終わって、すぐにご本人から「手に力が入るようになりました!」と報告があったときには、心底ほっとしました。手に力が入るようになったため、調理のリハビリにも積極的に参加され、自宅に戻ったら家族に料理を作りたいと張り切っていました。また、手の他にはしびれが軽減、足が動かしやすくなったと聞いています。

釧路には身内も友人もいない中での入院で、心細かったことと思いますが、社交的な性格から、たくさんのスタッフと気さくに接していましたので、入院生活も楽しく過ごされていたようでした。

コロナ禍でもあり、せっかく広島から来られたのに、一切、外出できず、釧路の観光をしないまま帰ってしまったのは本当に残念でしたが、ご本人が再生医療の効果に満足されたのは何よりでした。