病気のはなし-3

 

みなさんこんにちは。

院長の寺西です。今回は、私の診療の中心の一つである、糖質制限食について思い出も含めてお話します。

私の診療においてほとんどの患者さんに、ごはん、パン、うどん、そば、ラーメンなどのいわゆる主食と砂糖の入った菓子やケーキを減らし、肉、魚貝、卵、豆腐などのいわゆるおかずを増やすように指導しています。そうです、世間でもかなり一般的となってきている糖質制限食です。

10年前に、釜池先生という日本で最初に糖質制限を始めた先生の本を読み、自身で初めてみたところ(現在ではかなりゆるめの糖質制限になっていますが)、体重減少、脂肪肝の改善を経験したので糖尿病の患者さんにも勧めたのですが、当時なかなか実行してもらえる患者さんはいませんでした。しかし、中に糖尿病のくすりを数種類のんでいてもなかなか血糖がコントロールができなかった患者さんが、かなり厳密に糖質制限を実行してくれて薬がいらなくなったことを経験し、これは本物だと思いました。

私が医学生のころ、糖尿病は血糖が高くなる病気なのだから、糖を摂らなければ糖尿病は治るのではないですかと、糖尿病専門医に質問したところ、糖を摂らないと「栄養のバランス」がくずれるから糖は1日の必要カロリーの50%は摂らないとダメだと教えられました。この「栄養バランス」という言葉に妙に納得してしまったのですが、以来ずっとなにかしっくりこないものも感じていました。この「栄養バランス」というのは何の根拠もなく決められていたものだと知ったのは、糖質制限食を知ってからでした。その後、テレビの健康番組などにも取り上げられ、じわじわと糖質制限は世間に浸透し、患者さんの指導も楽になってきました。

糖質制限食は、糖尿病はもちろんメタボリックシンドローム、認知症やガンにも効果のある食事法だと考えています。詳しい内容や具体的献立は本やネットで調べていただき、ゆるやかでもよいので糖質制限を始めてみてください。

寺西 純一(てらにし じゅんいち)先生のプロフィール
1984年3月 北海道大学医学部卒業
1984年4月 北海道大学医学部附属病院 循環器内科医員
1985年4月 札幌逓信病院 循環器科
1987年4月 北海道大学医学部附属病院 循環器内科医員
1990年4月 砂川市立病院 循環器内科
1991年4月 NTT東日本札幌病院 循環器科
1993年4月 北海道大学医学部附属病院 循環器内科医員
1997年4月 札幌厚生病院 循環器内科
1999年4月 国立西札幌病院(現 北海道医療センター)循環器内科
2015年4月 札幌西孝仁会クリニック院長

日本循環器学会認定 循環器専門医       
 日本内科学会認定 総合内科専門医


 

 

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